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衝撃のスペースハリアー体験:1987年、少年の目に映った異次元空間【レトロゲーム】

セガのスペースハリアーの記事用アイキャッチ

1985年12月、セガの体感ゲームシリーズ第2弾『スペースハリアー』がゲーセンに登場した。

スペースハリアーとは、セガの鈴木裕氏による疑似3D技術を駆使した3Dシューティングの先駆けとなるタイトルだ。

主人公ハリアーを操り、32,000色をフルに使い切った美麗な異次元の世界で、迫りくる敵を回避しながら戦う全18ステージの爽快感がたまらない。

さらに、『体感ゲームシリーズ第二弾』という名の通り、ローリング・タイプと呼ばれる筐体はプレイヤーの動きに合わせて前後左右と斜め方向に動いてしまうのだ。

疑似3Dの画面は美しく迫力に満ち溢れていて、ゲームを超えてまるで別世界に飛び込んだような体験に、当時、中学生~高校生だった自分は夢中になった。

もくじ

あの日のスペハリ:
少年を虜にした異次元空間との出会い~

イメージ:PAKUTAS より

1987年のある日、駅前のゲームセンターで、スペハリ(スペースハリアーの公式略称)のアーケード筐体が置かれているのを偶然見つけた。

そのゲーセンは、25mプールほどの広さで、壁の周りにはアップライト型筐体のビデオゲームがずらりと並び、テーブル型の筐体がフロアをびっしり埋めていた。

室内は薄暗く、電子の喧騒とたばこの煙が不健康な雰囲気を漂わせ、充満している。

スペハリがゲーセンに登場してすでに2年以上経っていた。

その間、家庭用ゲーム機『SEGA MARKⅢ』に移植されたスペハリ遊んでいたし、ゲーム雑誌を見て程度知識はあったものの、オリジナルを見るのはこれが初めてだった。

「なんじゃこりゃ…」

画面奥から激しく迫ってくる巨大な敵キャラの滑らかな動きと速さに驚愕とした。

そして、ムービング筐体の上下左右の激しい動きに唖然とした。

完全に引き込まれましたよ。

さあ、プレイ開始だ!

リリースされてすでに数年経っていたせいか、あまり遊ばれていないスペハリのデモ画面をポカーンと口をあけながら眺めていた。

また、たまに現れるゲーマーたちのプレイを食い入るように、ただずっと見ていた。

スペハリのあまりの神々しさに驚いたこともあるが、引っ込み思案だったことが影響して、私は人前でプレイするのが少し苦手だった。

しかし、自分もゲーマーの端くれだ。

高校入学のお祝いに親にねだって(/ω\)買ってもらった家庭用ゲーム機『SEGA MARKⅢ』(以下、MARKⅢ)で、すでに移植されたスペハリを遊んでいる。

テスト期間中は徹夜をかまし、MARKⅢ版スペハリと勉強を交互にプレイ(?)して、どちらもギリギリだったがクリアしている!

そんな自分の腕を試してみたくなってしまった。

筐体の周りにあまり人がいない頃合いを見計って、血の気の失せた顔で恐る恐るシートによいしょと座り、コインを投入。

重厚に感じる本物のような冷たい操縦桿(そうじゅうかん)をつかみ、ひきつった笑顔でプレイを開始した。

『Welcome to the Fantasy Zone, Get Ready!』

操縦桿でのプレイは初めてだが、MARKⅢ版では操縦桿と同じく上下逆のキー操作にして遊んでいたので慣れたものだった。

それはまるで、この日のために準備してきたかのような運命を感じた。

プレイ中、操縦桿の動きに合わせて筐体がぐるんぐるんと動く。

ガンダムをあまり知らないんだけど「こ、こいつ動くぞ」ととっさに思った。

スペハリは、もともとプレイヤーが戦闘機を動かすゲームだったそうで、その名残りが飛行機の操縦桿やコクピット型の筐体に残っているそうだ。

しかし、一番驚いたのは、やはりその美麗な映像だ。MARKⅢ版とは全然違う。こんなでかいキャラが画面の奥から滑らかに動き迫ってくる…。

ゴダーニ

アリエナイ。

MARKⅢ版と比べて、木がちゃんと木の形をしているし、高速でくるくる回りながら滑らかに拡大してくるルーパー(空飛ぶオレンジ色のキノコみたいなの)がかわいすぎて見とれてた…。

また、ハリアーの冒険を鼓舞するようなBGMも素晴らしかった!

ゲーム雑誌Beep付録のソノシート(レコード)で、アーケード版スペハリのBGMを何度も何度も聞いていたが、実際にプレイしながら聞くと、まるで自分自身がハリアーとなって壮大な冒険に飛び出したかのような感覚に包まれる。

美麗な映像、感動的な音楽、動いてしまう筐体。

ゲーム世界と現実の境目が溶けていって、ただ純粋に楽しさだけが胸を満たしていく!

そんなこんなで最初のプレイは、天井が画面の上から迫りながら降りてくるCEICIEL(ステージ4)で驚きと興奮の中、ゲームオーバーとなった。

すげーぜ!スペハリ!

ステージ4『CEICIEL』のムカデンス(左下)とビンズビーン(中央上)

なぜ、CEICIELでゲームオーバーになったのか?

これはよく覚えている。

難しかったんだじゃなくて、天井の壁がサーッと降りてくる迫力に圧倒されてしまい、プレイのリズムがおかしくなってしまったのだ。

ゲームオーバーになった時、悔しさよりも、興奮冷めやらぬまま顔面蒼白でしばらく呆然としていた。

筐体から降りるときは足がガクンガクンで力が入らない…。

MARKⅢ版ですでにスペハリを体験していたが、まるで異次元の体験だった。

それから、数日のうちに数回プレイして、エンドタイトルまで簡単に行くことができた。

ドムまたはバレルというキャラ

きっと、MARKⅢ版でしっかり遊んでいたからコツをつかむのが早かったのかなと思う。

「やっぱり、ハヤオー出てこないんだ」(MARKⅢ版オリジナルキャラ)

有終の美、終わり良ければ総て良し??

ウイウイジャンボ

そしてなんと、スペハリが初めてアーケードでクリアしたゲームになった。

しかもワンコインで!

まあ、ハリアーをグルグルとずう~っと回しているだけで、クリアできるようなゲームなんですよね(汗)

初めてクリアしたその時は、迎えに来た味方のドラゴン・ユーライアにハリアーが飛び乗ると同時に自分はその場を去った。

ユーライアに乗るハリアー

なぜなら、ゲームをクリアするとエンドタイトルを見ずにサッと席を離れるのがカッコイイからか、自分の住む地域ではゲーマーはみんなそうしてたからだ。

自分もそれに倣ってサッと席を立ち、大勢のギャラリーの間をすり抜けて、スペハリの筐体から離れていった。

…けれども、自分が去った後のイニシャルエントリー画面をギャラリーに悟られないように未練がましく遠くからチラチラと見ていたのだった…。(カッコ悪い…)

その後、自分がエンディングを最後まで無事に見届けられたのは、マークⅢ版から約25年後、ほぼ完全移植のNintendo3DS版でのこと。

ユーライアに乗って去っていくハリアーの後ろ姿は、マークⅢ版と変わらぬ哀愁が漂っていた。(マークⅢ版ってすごいですよね)

本記事で引用・参照した情報

記事中の『スペースハリアー ©SEGA 1985』の画像は、アストロシティミニよりスクリーンショットしました。

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